前頭連合野/46野のORIGINAL NOVEL

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※著作権は前頭連合野/46野の管理人、怪物の顔(鮭)にあります。





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――――― ―keep out。

立ち入り禁止。

白い部屋は、keep outと記された黄色いテープが張り巡らされていた。
その光景はまるで事件現場さながら。


部屋の奥から外の廊下へ、救急隊が何か運び出す。
―――正体は白いシーツを被せられた男の遺体。

空になった部屋には、先がわっかになった太いロープが小刻みに揺れ、その下に木製の踏み台。



自殺。



――― ―この部屋から自殺者が出たのだ。



「・・・・・またですか、今年に入って4件目ですね、自殺者さん」
「・・・・今度は内部資料整理班の人だそうです、お気の毒に・・・」

この光景の中に二人のやじ馬がいた。
一人はスマイル、もう一人はドラゴン。

―――そう、ここは彼らの組織の内部。
ウォッチャーズの総合の寮。

二人は救急隊が運ぶ遺体を見物していた。

この組織の役員は皆病める者ばかりで・・・入ったばかりの新役員の2〜3割は自殺するという。
自殺の理由は様々で、最もよくある理由の一つは“不安への恐怖”。今回の自殺者もそれである。

「――――――何自殺?また首吊り?」
「――はい、そうみたいですね。部屋からロープと踏み台が見えます」
「・・・・ほんとに多いね、自殺」

スマイルはボンヤリと自分の絞めているネクタイを緩め、襟元のボタンを一つあける。
そして、グィ!と襟を下に下げる。
――――― ―すると普段見ることの無い彼の白い首元が現れた。

「――――――――― ―!!?」

その首を見た、隣にいるドラゴンが息を呑み驚く!

スマイルの首元・・・そこには細い二重の輪の痣が首一周、巻き刻まれていた。
その痣は首を絞められたかの様な痣・・・濃い痣。

「・・・・・・スマイルさん、その痣・・・」
「―――――――― −苦しいよ、首は。絞められると」
「――――!」
「・・・ボクはロープなんかじゃなくって、荷造り用の細いビニール紐だった・・・ノドに食い込んで窒息寸前、
薄れ行く意識の中・・・・あの“世の門”を見た」

スマイルは乾いた大きな瞳で遠くを見つめる・・・・。
右手は首をさすり始める。

「・・・・あの世の門」
「――――――― ―死にかけたのさ、殺されかけて」
「!殺されっ・・・」
「知っているかい?人は死ぬ瞬間視界が灰色になるんだ・・・そしてナイチンゲールの囀りが聞える・・・・レクイエム、
鎮魂歌さ。子守唄のように優しかった」
「・・・・・・」
「―― ―なんであんな風に優しかったんだろう、ナイチンゲールの囀り。
ああ、そうか、きっと味わっている苦しみと恐怖を和らげるためか・・・・そうか、そしてそう誤魔化して人を死へいざなう」
「スマイルさん・・・」
「・・・・ボクはすれすれで命拾いしたけどね」

スマイルは首をさする手を止め、そっとその手でノドをつまむ。

「―――― ―自殺?理解しがたい。ボクにとって自らの命を自らで終わらせる奴なんて、唾を吐きたくなるもんだ。 特に首吊り。
殺されかけて味わった死への恐怖・・・けして忘れない」

ドラゴンは変な汗を流しながら「――そうですね、僕も死は御免です。自殺なんて命が勿体無い・・・」と呟く。
するとスマイルはそんなドラゴンを無表情で見つめ、暫く溜めた後「―――――――― ―でしょう?」とニッコリ笑った。



何時もみたいに。

「――――――― ―ですよねぇ、ハハッ・・アハハ!」

ドラゴンはそれを、ぎこちない笑顔で受け止めた。

「―――あっ!忘れてた、イケナイイケナイ。副班の“マキシム”さん呼んでこないと!
全員揃わないと班会議は始められない、班長さんにおこられゃう♪フフッ、フフフ♪」

スマイル。

笑う。

smile

“笑う男”・・・・スマイル。

「・・・・・・」

ドラゴンは知っていた、
この男(スマイル)は笑うが、ただ一度も“眼は笑っていない”という事を。



Story5終了、Story6変身、変身、変身に続く。

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