前頭連合野/46野のORIGINAL NOVEL
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※著作権は前頭連合野/46野の管理人、怪物の顔(鮭)にあります。
―――― −それから数日、孔蛾はまたも夜中に出歩いていた。しかも酔っている。
しかもそれなのに、いい具合に・・・。
お決まりみたいに手にはアダルトDVD・・・また借りてきたのだ。
一体この男は毎日何をやっているのだろうか?
仕事は適当でやる気の欠片もないくせに堕落は一人前・・・これが本当に以前、本気で国境なき医師団への参加を志した人間だろうか?
もしここに医者の偉人、野口英世がいて、こんな孔蛾を目にしたらきっと「なさけない・・・」と言って泣き崩れるであろう。
彼に日本国の千円札を手にする資格はない・・・。
「―― ―あれ?占い?なんで、ここで占いなんてやってんだ?」
通りなれた道角に、お粗末な木製看板が立っている。
看板には『何でも占えます。なんでも占い』と書かれていて、その看板の隣に易者が机を広げて座っている。
易者は、いかにもといった感じの胡散臭そうな中高年のおっさんと思いきや、これが目鼻立ちのハッキリ整った美形の若い男。
眼の色や顔のパーツからして日本人ではない。ベースはヨーロッパ系だろうか?でもなんか違う。
いろんな人種の混ざった感じがする。見た目では国籍がわからない。そして髪の色はブロンドなどではなく孔雀色。
染めているのだろうか?しかも髪の一本一本がラメみたいにキラキラ輝いている。
特殊化効果か?不自然な髪色と輝きだが地毛のように感じる・・・・・・。髪型はオカッパだ。
「―― ―ひとつ占って差し上げましょうか?」
易者は孔蛾を見つけると早速言葉をかけ呼び止める。
孔蛾は「―― ―えっ?俺?」と戸惑い自分の顔を指差す。
「はい、そう。そこの酔っ払いの貴方」と易者は微笑んで頷く。
「・・・えっ、あっ、でも金無いからいい」
孔蛾の自分のポケットに手を突っ込む・・カサッと紙が擦れる音がした。
レシートしか入っていない。
金が無いからと断る孔蛾に易者は「―― ‐大丈夫ですよ、無料です。オープンサービスですから」と言って引き止める。
「・・・・オープンサービス」
オープン。サービース・・・。
―――――――― ―たしかに、占い屋なんて昨日までここには無かった・・・。
「ほんとに無料?」
「はい」
「ほんとのほんとに無料?」
「はい」
「タダ?」
「はい」
「タダかぁ〜なら占ってもらおっかなぁ暇つぶしに」
別に大それた悩みなんて物は持っちゃいないが、
気休めのアドバイスの一つでも欲しかったりするので孔蛾は易者の言葉に甘え占ってもらうことにした。
「―――― −まず、占う前に生年月日と名前を教えてください」
「えーはいはい、名前と生年月日ね。え〜っと●×△∵年二月十四日生まれ名前は孔蛾実」
「変わった苗字ですね・・・孔蛾さん」
「ハイ!出席番号3番、孔蛾実でぇす!!」
――― −酔いのせいで、思わずハイ!と返事し小学校時の出席番号が口に出た・・・。
しかも右手を綺麗に勢いよく上げて、ピッタリ耳につけている。
「出席番号は言わなくっていいです・・・手も下げて」
「あん?ああ・・・そっか、あんた野村先生じゃねぇーな」
――― −!?野村先生?それ、誰!?
「・・・じゃ〜」
「―― −あっ!俺息酒臭くねぇ?」
占おうとした瞬間、孔蛾が勢いよく手で口を覆う。
・・・・今更口臭に気づいたようだ。
「・・・酒・・・・大丈夫、我慢しますから」
「ほんと?悪いねぇ〜ゴメンね!」
「いえいえ・・・」
「マジゴメンね!」
「いえいえ・・・」
「臭かったら言って、俺ミントガム買ってくるから・・・」
「あーはい・・・」
「うん、よろしく。頼むよ!」
―― −何を!?
「あっ、はい」
「・・・じゃ、早速占いますね。では、僕の眼を見つめてください」
「ええ、はいわかりましたって――― −って!これ易占いじゃないの!?
なんで眼とか見つめないと駄目なんだ!机の横の筮竹は何!?それつつつっ使えよ!おっかしぃ〜よォお前!」
易者もおかしいが酔っている孔蛾の呂律もおかしい。
「筮竹?ああ大丈夫。今日は飾り」
「!ハァ?―― ―飾り!?今日は飾りなの!?筮竹?なんだそれ!!オイなんじゃそりゃ!」
「・・・お客さん、看板に書いてあるでしょ?『何でも占えます。なんでも占い』って。
だから僕は“なんでも占いで、なんでも占うんです”だから今日は取って置きの一度限りのスペシャルデラックスウルトラ占いで占ってあげます、お客さんを。実は・・・お客さんが当占いのお客さん第一号なんですよ!記念すべき!」
「そう・・・・そう?俺が記念すべき第一号?よぉ〜よ!ならヤッパやってもらおぅ!!」
易者は滅茶苦茶な事を言って孔蛾を丸め込む。
孔蛾も滅茶苦茶な事を言われているとわかっているが、相手が妙に必死なので逃げずにこのまま
占ってもらうことにした。というか・・・酔っていてきちんと情報を処理できない!
「―― ―あなたの眼をただ見つめてればいいんですね俺は?」
「はい」
「・・・・よぉ〜し!みるぞぉ」
――― ―孔蛾は黙ってひたすら易者のグレーの瞳を見つめ続けた・・・。
別に何も起こるわけではない。でも・・・見つめ続けている易者の眼は素早く小刻みに左右に揺れ動いている。
その動きはまるで“文章を朗読するときや、映像を眼で追う時の様な動き”をしていた。
・・・・・・・段々頭がぼぉーっとしてくる・・・くらくらする。これは酒のせい?
―――――――― ―そして三分後、
「――― ―君は良い子だ・・・だから “もう読まれないように頭に鍵をかけよう”」
――― ―易者の腕が孔蛾の頭にズズッ― ‐と伸びる・・・そして孔蛾の頭のてっぺんを手の平で包む。
その間、孔蛾はただだらりと垂れて人形の様になっている。
「――― ―僕の名は“カイン”。君に何時かまた会うかも、もしくは会わないかも・・・」
――― ―ガッチャン。
――― ――孔蛾の頭の中に鍵のかかる音が響く・・・。
「――― ―!?あれ?俺・・・一瞬何を」
事がすべて終わると孔蛾はハッと気づき・・・我を戻す。
――――― −やべぇ〜俺寝てた?なんか・・・・ほんの数分の記憶がぽっかり無い気も。
――― 何故か妙に頭が熱っぽい。酔いが回りすぎているのかなぁ〜
「――― −もう占いの結果でましたよ」
「――あっ!えっ!」
「貴方、ワガママでしょ?」
「ヴッ!」
―― ―当っている。
「しかも、短期で頑固・・・怒ると直ぐグーが出る」
「・・・・・」
「今の仕事は不真面目でサボってぱっかり」
「・・・・・」
「そのくせ文句は一人前」
「・・・・・」
「馬鹿従業員とか役立たずのノッポとか言われている」
「!・・・」
――― −なっ、あれ?なんで言われている悪口まで当るんだ?
「最近上司に三発拳骨をくらった」
「!!」
――― −これまた当っているけど、痛い記憶蒸し返させるなよ!!
「・・・あと子供好きでしょ?」
「!ええ、まぁ・・・」
「ひょっとして、保育士とか憧れませんでした?」
「そうです!そうです!進路希望の第二候補でした!!俺、年の離れた弟がいるんですよ!
うち両親共働きだったから、兄貴と俺の二人で弟の面倒みてたんですよねぇー」
――― −凄い!凄い凄い!!一番これが当っているじゃないか!!
「―― −実は、そんな子供好きの貴方に大変いいお知らせがあります」
「―― −えぇっ!何っ!?なになに!?一億円拾うとか!?」
孔蛾は象の耳を易者に近づける・・・。
「・・・孔蛾実さん、物凄く近い将来、貴方は“子宝に恵まれる”でしょう!!」
「へぇ〜子宝・・・えぇっ!!ぇっ!こっ、ここっこっ子宝!!子宝だってぇっ!?」
――― −なっ!なんなっ・・・なななななんだそりゃああっ!!こっ、子宝!!?
「―― −ちょっと!ちょっとまってくれよ!!子宝って、俺作る相手いないんですよぉ!!
なのに、どうやって恵まれるんですか!?」
――― −そうだよ!そうだ!!俺には作りたくっても一緒に作ってくれる相手がいないっ!!
「―― −でも、貴方には“一緒に作りたい相手がいる”じゃないですか?」
「――― −!!」
――― −ヴッ!そっ、それは・・・そうですよ!!いますよ!そりゃいますよ!一人いますよ!
「・・・・でも俺の片思いなんですよ」
――― −えっ?俺もしかして今、恋の相談とかし始めちゃっている?
「大丈夫、星に願いをかければ必ず叶うはず、どんな望みもきっと・・・って『ピノキオ』の映画で言ってた」
「―― −!?」
―――― ―えっ?即答!?てか、何?なんなんだそのロマンチックな表現は!!
「今日にでもいいから、子供を作りなさい。授かる物を授からないと・・・君は地獄を見る」
「じっ、じじじじっ地獄!?・・・・なんか、物凄い事言っていません?
話がぶっ飛んでいる気も・・・」孔蛾が苦笑いしてそう言うと、
易者は「―― −うん、そうだね、でも結果そう出ているから」と簡単な返事を返す。
「・・・・あと、もう“駄目人間のふり”はよしたほうが良い・・・君はいままで駄目になることで自分の価値を下げ、
得られる幸せを潰していった。だがもうその必要はなくなった。癖になって離れないのかもしれないが、
普段がそんなんじゃこれからの危機は乗り越えられない。
夜中出歩いて、酒なんて飲んでふらついている場合じゃない。
もう君は呪縛から吹っ切れたんだ・・・・第二希望の保育士や、やりたくも無い肉屋でもなくって一番の、第一希望の夢を叶えなさい。
君の心の引っかかりは“自由への戸惑い”」
「・・・・・深い」
―――――― −うっ!深い・・・道徳の時間並に言葉が深い。
関係ないけど急に「命はたいせつにしましょう」とか言う標語思い出したし!
なんて凄い説得力!こいつの言葉は・・・てかっ、あっ・・これ説教じゃん!説教じゃんか!
俺今日謎の外国人に説教されたよ!!それにしても、如何してこんなに分かるんだ?俺の気持ち。
まるで“頭の中を読まれた”感じだ・・・・・・・。
「―― −もう今日はもうおしまい、店じまい」
「!えっ?店じまいって・・・客俺一人じゃん」
「いいんです、今日は“そういう予定”でしたから・・・」
そう言うと易者はさっさと看板を伏せ、机をたたみだす。
「―― −あっ!あと、今思ったけど、日本語上手ですね」
「はいどうもー」
「どこの国の方ですか?」
「それは秘密です」
「・・・その髪特殊に染めてんの?」
「それも秘密です」
「――― ―ふ〜ん・・・じゃ、俺帰るわっ!ども、アリガトなっ!」
「はーい、お気をつけて」
「じゃーな、日本の地下鉄はめんどくさいけど頑張れよ外人!」
「はーい・・・」
そして孔蛾は去り際に「・・・・・・貴方にも良いこと起こるといいね」と易者に向かって一言。
易者は「――− −!どうも」と言ってニカッと微笑んだ。
そして遠のいていく孔蛾の背中を見つめながら「星に願いをかければ必ず叶うはず、どんな望みもきっと・・・・・・きっとね」と呟きあの歌を口ずさむ・・・。
星が光り輝く夜空にWhen You Wish upon a Star−『星に願いを』が漂った。
***
「――― −だっだいまっー!」
酔っ払い孔蛾が家に帰ってきた。
「変な外国人にぃ〜説教されてきた俺がかぇってきましたよぉー!」
訳のわからない事を大声で叫ぶ。
「・・・お〜い!だれかいねぇーのかっ!?お〜い!!お〜い!!」
理由もないのに人を呼びたがる。
「―――ウルサイ!何時だと思っているんですか!?」
「!―― −!?」
おかげで誰か来てくれた。居間から怒った春日子さんが来てくれた。
―― −いや、やって来た。
※春日子さんは岡松家の屋根裏部屋を自室として使用していますが、
雨漏り修理の為、現在居間で寝ています。
「・・・よぉ!春日子、元気か?」
「はぁ?」
人を呼んでも会話の意図がわからない。
「――― −もう孔蛾さん何訳のわからないことを・・・って、臭っ!お酒臭っ!!ゲボッ!ゴッボ!最低!酔っ払っているじゃないですか!?」
・・・臭い、酒臭い!焼酎の臭いがツンと鼻に来る。
春日子は一瞬吐き気に苛まれた。こんなのを吸い続けたら絶対気分が悪くなる・・・。
パジャマの袖でぐっと鼻と口を押さえる。
「オイ!春日子、お前にいい物をやる!」
「――はぁ?」
「―― −ほれ!お土産の寿司だ!!」
孔蛾は威張った口調でビニール袋を春日子にガサッ!と押し付ける。
「えっ?すし・・・・」
春日子は戸惑い、押し付けられたビニール袋の隙間をそっと覗く・・・・。
「―― −すっ!?アダ・・・」
・・・中身は寿司ではなくアダルDVD。孔蛾が借りてきたアダルDVD。
―――― −最低だ。この人最低だ。
「孔蛾さん、これ寿司じゃありませんよ!!」
「!―― −!?えっ?」
春日子は中身を確認するなり、ドン!と即刻孔蛾に袋をつき返した。
つき返された孔蛾は、ガサガサと音を立てて袋の中身を確かめる。
―――― −自分の借りたアダルDVDが二本存在していた。
「―――あっ!あはははっ!そーだ、これ寿司じゃねぇー寿司は食ったけど、お土産ねぇーや」
酒の臭いをプンプンさせながら、孔蛾は春日子の顔を指差して笑う。
訳がわからない。
「・・・・」
一方春日子は物凄く苦い顔している。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・・春日子」
しばしの沈黙の後、孔蛾が熱っぽい目で春日子を見つめ、近づく。
「――えっ?」
「・・・・・」
―― −ガシッ!!
「!?―― ‐キャア!」
突然孔蛾が春日子の肩を力強く掴む。
春日子は驚いて小さな悲鳴を上げた。
「―― −なっ、なななっ!何ですか!?」
「・・・・・一緒に作らない?」
「!!はぁ!?」
「子供」
「はぁ!!?」
「今から一緒に子供つくろ!!」
「―― −えっ?はぁ!!?こども・・・!」
予期せぬ孔蛾の行動と発言に、春日子は一体何がどうしたかわからずパニックになる。
だが、ふと目線を斜めに向け孔蛾の右腕を見る。すると、そこには彼が「寿司」と呼んだアダルDVD入りの袋がぶら下がる・・・。
―――― −最低だ。この人最低だ。やっぱり最低だ。やっぱりやっぱり最低だ!!
「―――― −どりゃああああああっ!!!」
「――――――――― −!!?」
――――――― ―ガッ!
「―――!?」
「――― ‐」
―――――――――――――――――― − ドゴッ!!!!!
「!!?――――――― −ヴッ!!」
―――――――――春日子は、
「うわっ!ぐはっ!!」
―――――――――孔蛾の腹部目掛け、正拳突きを綺麗に一発決めた。
「・・・・・げぼっ」
――――― −ドッサ・・・。
―――――――――春日子の正拳突きは、孔蛾の鳩尾に見事ヒットし、
「・・・・・・こほっ」
―――――――――孔蛾の内臓に激痛が走った。
「―――― −はっ、春日子さん?」
「・・・・・」
「―― −はっ、春日子さん今何を?今何をなさいました?えっ?ええっ!?」
孔蛾は玄関床に蹲り、痛みに悶えながらそうは春日子に訊ねる。
「・・・・・」
「・・・・・」
「――― −最低です。この煩悩の権化!」
「―― −!!?」
「前にも一度言ってあげましたが、僕は、今は女の子だけど、悪い奴の魔法が解けたら男の子に戻れるんです!
だから僕は、本当は男なんです!何が如何して孔蛾さんの欲望を満たすために僕が犠牲にならないといけないんですか!?
冗談じゃないです!男同士として対等に扱ってください・・・。僕は男です!
それに、もし仮に孔蛾さんが女だったとしても僕は絶対に“孔蛾さんとはしたくない”です!!
嫌いです!人間としても異性としても!するなら“死んだほうがまし”です!!
僕は・・・男の子に戻ったら、憧れの“絵理先生をお嫁さんに貰います”から。
だから貴方と子供なんて、ありえません、つ・く・り・ま・せん!じゃ、おやすみ孔蛾さん!」
――― −ガタン!
「―― −!」
春日子はベラベラと喋りまくった後、あっさり居間へと戻った。
――――−残された孔蛾は一人冷や汗かきながら号泣しいてた。
「・・・・・そうだ、あいつ“自称男の子”だったんだ」
―――――――――――――――あ゛あああああああああああああっつ!!!
そうだよォ!!そうだぁ!あいつ自分を本当は男と思って生活してんだぁ!肝心な事を間違いなくドンピシャで忘れてるよオォ!!!
俺馬鹿じゃん!!大分馬鹿じゃん!嗚呼!!
―― −てか、“孔蛾さんとはしたくない”です!!って何!?“嫌いです!”って何!?
“するなら死んだほうがましです!!”ってそこまで!?ねぇ?俺そこまでぇですかぁ!?
てか、あいつ男に戻ったら今井と結婚する気満々じゃん!!人の気も知らないでぇ!!言うなよ!
つーか今井絵理加とか思わぬライバルじゃん!!なんだよ!なんで登場するんだよ、今井!
ああああああっ!!なんでぇーっ!絶対に男同士として対等には扱えないって!!
だって、豊かに育ったおっぱい二つも付けといて・・・どうやって男として見れと!!?
不可能。無理。
――――−ふられた。
告白もしていないのに、ふられた。
失礼。
失恋したのに、失恋特有の甘酸っぱさとほろ苦さが無い。まったく。
あるのは痛み。
――――あ゛あああああああああああああっつ!!!立ち上がれない!!
殴られたお腹の痛みよりも、心の痛みが強すぎて・・・・立ち上がれません!!
立ち上がれませんし、立ち直れません!!!痛いっ!イタイイタイ!痛いよオォ!!
「――――――――ちくしょ!!畜生!!ちくしょおぉっ!!!」
痛みと悲しみの涙は、悔し涙へ。
失恋は、復讐へ・・・・。
――――――――――――何時か絶対、あいつの乳もんでやるっ!!(違う方向に走った)
その日孔蛾は、本当に立ち上がることなく、そのまま玄関の床で蹲ったまま、泣いて朝を迎えた。